理療業就労 

あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師になるためには、医学的知識と専門的技術を習得し、国家試験に合格しなければなりません。高等部保健理療科では3年間で[あん摩マッサージ指圧師]の受験資格を、専攻科理療科では3年間で[あん摩マッサージ指圧師][はり師][きゅう師]の3つの受験資格を取得し、その後、国家試験に合格することで免許を取得することができます。(令和5年2月に実施された国家試験の全国合格率は、あん摩マッサージ指圧師88.6%、はり師70.4%、きゅう師71.7%、)そして理療の免許を取得するための勉強と並行して、希望の進路先を探していきます。
 理療業は、コロナ禍による負の影響が大きかった業種の一つであり、現在も採用求人数が減っている状況です。事業所側からは「施術力」に加え、これまで以上に「向上心」 「コミュニケーション力」の高い人材が求められています。 就労先の選択については、 雇用形態や通勤方法、健康状態を考慮しながら各々の条件に合った職場を、学校と一緒に考えていきます。



理療の免許を取得して務めることのできる主な就労場所

治療院[マッサージ・はり・きゅう治療院、 接骨院等]
治療院内で、マッサージ・はり・きゅうの理療業務を行い、訪問マッサージを兼業する場合もあります。個人経営が多く、院長のもとに直接雇用されます。勤務形態は始業時刻が早く、終業時刻が遅く、午後の中休みを長く設けているところが多くあります。なお、接骨院以外のマッサージ・はり・きゅうのみの治療院は減少傾向にあります。

訪問マッサージ事業所
高齢者の住宅や高齢者を対象とした施設内で、主に医療保険が適用されるマッサージを行います。多くの場合、施術場所まで事業所の車で送迎されます。主に高齢者を対象とするため、あまり力を要しませんが、患者の骨折や怪我などを避けるリスク管理能力が求められます。近年はフランチャイズ展開する事業所が数多く増えています。

医療機関 [整形外科病院、診療所 等]
医療機関内でのマッサージ施術が中心になります。医師や理学療法士の指示のもと、患者一人につき10分間程度の施術を一日、数十人に対して行います。入社後にセラピストの資格を求められる場合があります。理学療法士の数が増えていることで、医療機関においてのあん摩マッサージ指圧師の需要は減少傾向にあります。

高齢者介護施設
機能訓練指導員として、介護施設内のデイサービス等で施術を行います。デイサービス利用者に対する機能訓練やマッサージが中心になります。施設内には車いすの利用者も多く、衝突や転倒等にも気をつける必要があります。介護福祉士やケアマネージャーなどのスタッフと共に働きます。

企業
(ヘルスキーパー)
一般企業専属のマッサージ・はり・きゅう師として雇用され、事業所内のマッサージルームで従業員に対して一人につき30分〜50分間程度のマッサージ施術を行います。はり・きゅうを行う場合もありますが、多くはマッサージ施術のみに限定しています。就職希望者に比べ採用求人数が少なく、また雇用形態は非正規雇用が多い状況です。

治療院開業
マッサージ・はり・きゅうの治療院を経営します。施術の技能の他、経営者としてのスキルが必要になります。近年は晴眼の開業者も増えてきていることに加え、フランチャイズ展開する大型リラクゼーション施設の急伸、また医療保険を適用しない場合の治療費負担増などの理由から、患者の確保に十分な工夫が必要になります。


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